プロダクトに情熱を持つことは大事だ。でも、執着するな。
プロダクトに魂を込めすぎると、客観的に見れなくなる。
我が子のように
プロダクトマネージャーは、プロダクトを我が子のように愛する。
何ヶ月もかけて作った。苦労した。こだわった。
だから、批判されると傷つく。削ることを提案されると、拒否する。
「この機能、すごく良いんです」「もう少し時間をください」「必ず成功します」
でも、データは冷たい。誰も使っていない。
執着が判断を狂わせる
プロダクトに執着すると、客観的に見れなくなる。
明らかに失敗しているのに、認めたくない。ピボットすべきなのに、現状に固執する。
「もう少し頑張れば」「もう少しマーケティングすれば」「もう少し機能を追加すれば」
でも、本質的な問題は解決しない。
サンクコスト効果
「ここまでやったんだから、もったいない」
これが、サンクコスト効果だ。
でも、過去のコストは、もう取り戻せない。重要なのは、これからどうするかだ。
失敗しているプロダクトに執着し続けるより、さっさと諦めて次に進む方が賢い。
Googleの墓場
Googleは、たくさんのプロダクトを作った。そして、たくさんのプロダクトを殺した。
Google Reader、Google+、Google Wave、Inbox by Gmail。どれも、ある時点で人気があった。でも、Googleは容赦なく終了させた。
なぜか?執着しないから。データを見て、冷静に判断するから。
データドリブンであれ
プロダクトの成否は、感情ではなく、データで判断しろ。
使用率は?リテンション率は?成長率は?
データが良ければ、続ける。データが悪ければ、ピボットするか、やめる。
シンプルだ。
Kill Your Darlings
作家の世界に、こんな言葉がある。
「Kill your darlings.」(最愛のものを殺せ。)
自分が一番気に入っている文章こそ、削るべきだ。なぜなら、自己満足になっているから。
プロダクトも同じだ。自分が一番こだわった機能こそ、削るべきかもしれない。
健全な距離感
プロダクトに情熱を持て。でも、執着するな。
プロダクトは、手段だ。目的は、問題を解決すること。
プロダクトがダメなら、別の方法を試せばいい。プロダクトに魂を込めすぎると、柔軟性を失う。
健全な距離感を保て。
ピボットの勇気
Instagramは、元々Burbnという位置情報アプリだった。でも、うまくいかなかった。
創業者は、執着しなかった。データを見て、写真機能だけを残した。
それが、Instagramになった。
もし創業者がBurbnに執着していたら、Instagramは生まれなかった。
プロダクトに情熱を持て。でも、執着するな。
データを見ろ。客観的に判断しろ。そして、必要なら、ピボットする勇気を持て。
プロダクトに、魂を込めるな。