概要

この事例では、思考支援プラットフォーム「POCONEST」の立ち上げにおいて、

AI(ChatGPT・Claude)との対話を通じて、「アイデア出し → 設計 → 実装」までを一気通貫で進めたプロセスをご紹介します。

開発にはCursorAI(React + React Native Web対応)を使用。

3週間の片手間プロジェクトながら、構想から実働プロトタイプまで到達できた背景には、

即興性とAIの構造力を融合させた"Vibe Coding"のアプローチがあります。


使用技術と環境

項目使用ツール・技術
構想・要件整理ChatGPT(構想壁打ち)
UIトーン/構造設計Claude(デザインシステム/UX設計)
実装CursorAI(React + React Native Web)
バックエンドSupabase(認証・DB・リアルタイム)
デプロイVercel

プロセス概要

1. アイデア出し ─ ChatGPTで"問いから考える"

開発は、ふとした思いつきから始まりました。

「会話や思考の断片が散らからずに、あとから整理できるツールが欲しい」

ChatGPTを壁打ち相手として、

  • 想定ユーザーは?
  • どういう課題がある?
  • まず何を作るべきか?
  • と問いを返してもらいながら、構想を整理。

    その過程で、以下のようなMVPの方向性が自然と見えてきました:

    チャット → アイデア化(カード) → 整理(ボード) → 構造分析
    💡ChatGPTとの構想対話ログ

    2. 設計 ─ Claudeで構造・デザイン・UXを編む

    ChatGPTで"何を作るか"が定まったあと、"どう作るか"の設計フェーズへ。

    Claudeには、以下のような問いを投げました:

  • 「このサービスに合うUIトーンは?」
  • 「各スペースの関係性はどう整理すべき?」
  • 「D3でネットワーク可視化するには何が必要?」
  • Claudeは、感覚的な要望を構造/設計レベルに変換する支援が得意で、

    具体的なパーツ構成・階層設計・UIの参考例などを提示してくれました。

    ここで、

  • Nest / Chat / Board / Meeting / Analysis という5つのスペース
  • 情報の流れと視覚構造の骨格
  • カード構造や関係性の抽象モデル
  • が決まり、Cursorに渡せる設計が整いました。

    💡Claudeから得た構造メモ

    3. 実装 ─ CursorAIで開発を一気に進める

    整った設計とプロンプトをもとに、CursorAIで実装をスタート。

    ReactとReact Native Web対応のコードが自動生成され、手直しを加えつつプロトタイプが急速に立ち上がっていきました。

  • 画面ごとの実装は、Claudeのアウトラインをそのままプロンプト化
  • Tailwindスタイル込みでベースを生成し、Cursorで細部を微調整
  • Supabaseとの連携(認証・DB構造・リアルタイム)も並行対応
  • 「まず動くものをつくって、試して考える」が実現できたのは、Vibe Codingならではのスピード感と柔軟性の賜物です。

    💡Cursorで構築中のUI

    学びと価値

    この即興的な開発プロセスで得た実感は、以下の通りです:

    設計とは、AIとの"翻訳の往復"である

  • 人間の直感 → AIの構造提案 → 判断 → さらに洗練
  • この往復を高速で回せることが、企画フェーズを一気に進める鍵になった
  • 決めながら作る、作りながら決める

  • 構想が明確になるごとに、次のUIが自然に見えてくる
  • 実装が進むごとに、次の判断基準がアップデートされる
  • 決定と行動が常に循環するのが、Vibe Codingの本質

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  • #1 作りながら決める、決めながら作る。
  • #2 問いを返してくる相棒──ChatGPTと構想を壁打ちする
  • #3 Claudeは構造を編むエンジニアだった(近日公開)

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    「まずつくってみたい」その気持ちを、最速で"かたち"に変えるお手伝いをします。